3歳までのお子さんを持つお母さんのために2009年に導入された「短時間勤務制度」。2012年には従業員が100人以下の会社も対象になることになりました。
まだこの時短制度が開始されてから5年ほどしか経っていませんので、この制度が根付くまでには時間がかかりそうですが、それでも以前と比べたら環境は整ってきています。
ここでは、この時短制度の現状と問題点などについてまとめてみたいと思います。
目次
時短制度は3歳まで。小学生まで希望する利用者が大半。
この短時間勤務制度は0歳~3歳までのお子さんがいる人が対象者となります。
しかし3歳をすぎて子供が幼稚園や小学校に入ってからも時短制度を必要としているお母さんが多いようです。
第一生命による小学生以下の子どもを育てながら働いている女性800名に聞いた『短時間勤務制度に関するアンケート調査』 では、じつ8割の人が小学生になってからも時短制度の利用を希望していることがわかっています。
労働時間は6時間ほどに短縮されます。
規定では働く時間を「原則として6時間」としています。そのため9時始業の会社であれば15時に。10時始業の会社であれば16時には帰社できるようになります。
しかし、実際には仕事上の都合で残業となってしまうケースも多く見受けられるようです。
時短勤務の問題点
この時短勤務の導入はひじょうに素晴らしいものだと思いますが、いくつかの問題点があがっているようです。
その1.同僚の理解や関係
時短制度の1番おおきな問題点なのが「働く同僚との関係」になります。
自分が先に帰るため、その分の仕事が他の人にまわってしまうことになります。同僚から「どうして私の仕事が増えるんだろう」「先に帰るのはずるいのでは」と思われてしまうこともあります。
制度導入からまだ5年ほど、100人以下の会社に至っては数年ほどでしかありませんので、まだまだ実際の仕事においてスムーズに時短制度を導入できているところが少ないというのが現状ではないでしょうか。導入された会社の上司も、どのように回していくのか困っているのかもしれません。
その2.保育園の確保
仮に時短勤務を導入している求人先に内定をもらったとしても(また在職中で時短制度に切り替えるとしても)、肝心の保育園が決まっていないとまったく意味がありません。
待機児童問題という言葉があるように、いま保育園に入りたくでも入れないお母さんが大変多いです。先回りして保育園探しにも奔走しなくてはいけません。
→保育園が足りない、入れない・・・働きたい主婦と「待機児童」問題のまとめ。
その3.転職の求人が少ない。
3つ目に紹介したい問題点は求人の少なさです。時短勤務を導入していて、新しく求人を出している会社はなかなかありません。
例えば大手転職サイトのリクナビで「時短」「短時間勤務」といったキーワードで求人検索をしてみたところ50件ほどの求人がヒットしました。これはかなり少ない求人数です。
また、求人の内容をみても時短勤務を推して募集をかけているわけではなく、あくまでも求人の掲載内容にそのキーワードが入っていただけ。という印象を持つ求人ばかりでした。実際には50件もないというのが現状のような気がします。
リクナビだけでの検索で判断するのは急ぎすぎかもしれませんが、正社員において時短勤務の転職先を見つけるのはかなり難しそうです。時短勤務専用の転職サイトもあるようなので、そういったところの求人を探してみたり、派遣社員なども視野に入れたほうがいいかもしれません。
派遣社員であれば、時短勤務の求人は多くでてきます。例えばリクナビ派遣で検索した場合、800件以上の求人がHITしました。他の大手派遣会社の求人も考えれば相当数の「短時間勤務の派遣」があることになります。
派遣であれば、もともと残業がない形で働いている人が多いです。時短勤務による働き方への理解も大きそうですので、人間関係を考えても働きやすいかもしれません。