結婚をしてから仕事をやめて早何年。また、育児に追われていた方であれば退職したのは5年や10年以上前の話かもしれません。
2年、3年、または10年といったブランク期間を経て再就職を考えたのはいいものの、「本当にフルタイムでの仕事に戻れるんだろうか・・・」、「時間の折り合いはつくだろうか」、「そもそも面接に受かるのだろうか」と、見えない就職活動の不安で気持ちがいっぱいだと思います。
「どうしよう・・・」
「まずは、どうすれば?」
と悩める再就職を希望する方に、このページでは「就職活動を着実に1歩1歩進めるためのポイント」をまとめてみました。
どうすれば少しでも負担を減らして、自分にあった仕事を探せるのか?
まずはハローワークにおける求人数のランキングを参照して下さい。
これを見ることで、どの仕事の求人が多いのか?どの仕事が少ないのか?がわかります。今後、どの業種で仕事をするのかの判断材料になると思います。
この結果はフリーワード検索をしたものですが自動車免許が20万件と圧倒的に多いです。
次に看護師の4万件、介護系が3万件、保育士1万5000件と続きます。この辺りの職業が非常にボリュームが大きく、かつ人材不足になっていることがわかります。
※2016年3月ハローワークインターネットにて調査。
資格ではないのですが、「事務」の求人を調べたところ8万件となりました。ボリュームが多いので「事務もいいのでは」となりますが、次の有効求人倍率を見ると事務は非常に人が余っている仕事となります(面接の倍率が高い)。
→女性が一生食べていける資格にはどんなものがあるのでしょうか?
求人数 |
求人倍率 |
|
---|---|---|
事務 |
11万8558件 |
0.25倍 |
看護師 |
9万8676件 |
2.54倍 |
介護 |
17万2597 |
2.27倍 |
販売 |
16万6669件 |
1.41倍 |
情報処理(IT・Web) |
4万7022件 |
1.89倍 |
調理 |
11万4907件 |
2.01倍 |
家庭生活支援サービス |
2177件 |
2.64倍 |
上のグラフはある月のハローワークにおける有効求人倍率で高い職種と低い職種をピックアップしたものです。
有効求人倍率の見方ですが、「1」を基点として数字が低ければ低いほど人が押し寄せていることになります。つまり厳しい求人です。逆に数字が高ければ高いほど、人が応募していない求人となります。
事務の場合、0.25倍ですので1つの求人に平均して4人の応募があります。
一方で看護師の場合1つの求人に0.3人ほどとなり、10件求人があっても6件~7件は応募がまったくないと言うことになります。
つまり事務の仕事は求人数ランキングで紹介したように8万件とかなり多い求人があるのですが、それ以上に多くの女性が事務での仕事を探しており、非常に狭き門になっていることが数字でわかります。
ここ数年、特定の業種で仕事不足がささやかれているなかでこの高倍率ですから、これはとても高いです。不況期ともなれば0.1倍~0.2倍となるかもしれません。そうすれば1つの求人に対して10人の応募者がいることになるのが「事務」をとりまく環境です。
転職では基本的に経験値が重要視されます。
ですから、以前事務をしていた人については事務への転職を否定するわけではないのですが、30代~40代で転職する場合は年齢的な要因の他に、そもそも競争が非常に激しい状況であるということは忘れないで下さい。
「求人数ランキング」と「有効求人倍率」から、おすすめの資格は何か?ということを考えてみたいと思います。
→資格を取って再就職に成功された方いますか?・・・こちらのページでは、看護師、歯科衛生士などが人気でした。
取得年数:最短3年(専門学校)
金額:年間50万~100万
3年間の通学と学校費用がかかる時点で、負担が大きい資格の看護師ですが、求人数の多さと慢性的な人手不足を考えると、とても魅力的な資格です。保育士と介護関係の資格も同じような状況ですが、看護師は他2つに比べてお
給料が高いのもポイントとなります。
超高齢化社会になることで、医療費が日本の財政を圧迫していると言われていますが、医療需要が大きければ、看護師の需要も増えます。現在も有効求人倍率が2.5倍近くとまったく人が足りていません。そのためこれから看護師がどんどん増えても、求人が減ることはないと予想します。
訪問看護ステーションなども次々と設立されていますから、当分は供給を需要が上回るのではないでしょうか。
資格があっても仕事に就いていない、もしくは結婚などによる退職で資格だけもっている潜在看護師の数がかなりの人数の上るとも推測され、更に人手不足に拍車をかけていると思われます。
受験:年3回
合格率:目安20%~30%
取得年数:目安3ヶ月~6ヶ月
金額:通信講座:2万~3万/スクール5万~10万
資格の求人数ランキングを見るとわかりますが、1位~20位までランキングをみても資格取得に2年~3年の通学が必要になる資格ばかりです(介護系をのぞく)。ランキングの下の方をみると、ようやく20位前後に簿記の資格が見つかります。
簿記を取得した場合、基本的に経理に就職することになると思いますが、経理を取り巻く環境として、求人倍率は0.6倍~0.7倍となります。競争が厳しいのですが、0.25倍の事務ほどではありません。
半年程度で資格取得でき、費用もお手軽な資格のなかでは「経理2級」が・・・ということになります。
再就職を考えている女性といっても、それぞれ年齢も違いますし、今後の仕事に対する考え方も違うと思います。
そこで、これからの働き方を大きく3つにわけて、「どんな職業・仕事がおすすめなのか?」「どんな就職活動が適切なのか?」といった点について、もし自分だったらどう行動するか?といった視点で考えをまとめてみました。
60歳の定年までしっかりお給料を狙って働きたいという場合、状況が許すのであれば鉄板なのは「看護師」です。
3年間の通学があり資格取得までにお金もかかりますが、「転職のしやすさ」「お給料の高さ」「50代でもしっかり仕事ができる」という点は他の職業を引き離しています。35歳で資格取得しても、その後60歳まで25年も働く期間があることを考えると、十分に資格取得の価値があると思います。
数ある職業のなかで再就職する女性にあっているかなと思えたのが「人材コーディネーター」の仕事です。いわゆる転職エージェントや派遣コーディネーターの仕事になります。
意外に思われるかもしれませんが、2016年1月号週間ダイヤモンド『飢える営業・食える営業 大転職時代』によると、人材業界の求人数は業種別で1位とボリュームが大きいです(営業職)。
いろいろな業種からの転職者が多く、比較的転職者を受け入れやすい土壌がありそうに思えます。また、人材コーディネーターは女性の割合がけっこう高いです。
これらの人材業界は大手だけでなく、小規模の会社もたくさんあるのも魅力です。いきなり再就職で正社員になるのは厳しい可能性もありますが、アルバイト・契約社員といった求人も多いので、まずはそこから実務経験をつければ正社員転職しやすいと思います。この場合、求人探しはIndeedを使いましょう。
Indeedはハローワークの求人やアルバイト、派遣といった情報も多くでてきますので、正社員一本で探す場合は向いていませんが、アルバイトや契約社員などの求人をキーワードで一括検索したい場合にはおすすめです。
人材コーディネーターであれば事務職で働くよりも、経験が積み重なりそうですし、そのため年収アップも期待できます。
帰宅は出来れば18時ぐらいには帰りたい。ということであれば、どんな職種があるでしょうか。
単純に有効求人倍率と求人数の多さから考えると「販売」、「ホテル」の分野がおすすめになります。
どちらも有効求人倍率が1.46倍(販売)と、2.5倍(ホテル)ということで仕事があまっている状態です。どちらも求人件数のボリュームがあるため定時に帰れる仕事を見つけやすいと思います。
仕事を始めてみて実務経験が積み重なるようであれば、同業界での転職を視野に入れてもいいと思います。そうでない場合でも定時に帰れるわけですから、資格を勉強するなり、ゆっくりと別の仕事を探すなり時間を使うのがいいと思います。
短時間で働きたい場合は、どうしてもパート勤務が頭に思い浮かびがちですが、最近では「パートタイム派遣」という働き方もあるようです。この場合、働き先はどこかのオフィスになると思いますので時給も高くなると思いますし、職業観が戻ると同時に、近々にオフィスで働いた経験があるということで「やっぱりフルタイムで!」となった時に次の仕事にもつながりやすいかもしれません。
個人的にいま気になっているのが「インバウンド求人」です。
ニュースを見ていると、つい5年前までは1000万人ほどだった海外旅行者が2015年には2000万人を突破したそうです。2020年のオリンピックには4000万人を目指すそうです。こうなると今以上にホテルの数は足りなくなりますし、物も売れるわけですし、海外客相手の仕事が増えることになります。
インバウンド専門の転職サイトもできたぐらいです。(※インバウンド(訪日観光)求人サイト「やまとごころキャリア」)
主に増えているのはアジア圏からのお客さんになりますので、中国語や韓国語、またはベトナム、タイといったような言語を覚えていると、何かしら面白い仕事に就ける可能性は高いと考えています。
5年ぶり10年ぶりに仕事に復帰するとなると、どういった仕事に就ける可能性があるのか、ほとんど状況がわからないと思います。
そのためフルタイムの仕事を目指すのであれば、嫌かもしれませんがまず転職エージェントや派遣会社に登録をして、担当のコーディネーターさんと話をしたほうがいいと思います。
全く仕事を紹介されかったということであれば、そこでハローワークに切り替えるなり、看護師の資格をめざすなり、人材コーディネーターを目指すにしても、いったん派遣や契約社員で働いて実務経験をつけてから正社員になる。といったように発想の切り替えも出来ると思います。
実際、私も10年ぶりの再就職の際に人材サービスを何社か利用した経験があります。まったく求人を紹介されない会社もありました。最終的に3社~4社に登録をして仕事が見つかりましたが、各社のコーディネーターさんと話したことでかなり置かれている状況がわかってきました。登録してよかったと思っています。
仕事復帰する人が就職活動する上でウィークポイントになるのが「しばらく仕事をしていない」という点です。そこで、就活対策として紹介したいのが「ランサーズ」などのクラウドソーシングになります。
ランサーズの請負内容を見ると「企画・PR」、「リサーチ・分析・解析」、「資料作成サポート」といった内容のものがありますので自分で出来そうなのであれば、その仕事をしてみて、職種的に近いのであれば面接の際にそれをアピールしてみてもいいんじゃないかと思います。
いろいろと説明が続きましたが、再就職するには求人を探し始めないと何もはじまりません。
求人を探すための媒体として、おすすめしたい求人サービスを紹介します。
住所:東京都千代田区飯田橋3-10-3
アクセス:東西線「飯田橋」徒歩3分、中央・総武線「水道橋」徒歩5分
WEB:https://www.tokyoshigoto.jp/
東京しごとセンターはハローワークと似ていますが、「女性しごと応援テラス」などの窓口もあり再就職支援セミナーやサポートプログラムなど、女性に特化したサービスがあるのが特徴です。東京だけでなく近隣の県であっても利用可能です。距離が近いのであればオススメです。
→『東京都の女性再就職支援サービスは「穴場」だ』・・・こちらの記事が参考になります。
女性が得意な転職エージェントは窓口が女性スタッフのみといったような配慮がありますので、そういった面が気になる場合は女性が得意なエージェントがおすすめです。
再就職の場合、実務経験年数が不十分だと「求人を紹介されない」「放置されてしまう」可能性もありますが、現在は第二新卒・20代専門のエージェントも出てきていますので、チャンスは十分にあります。
最初はだれもが転職の相場観がまったくわからないわけです。申し込みをすると面談で30分~1時間ほど担当者と話すことになりますが、これも過去の経験上、求人を紹介されなくても非常に有益だった経験があるので、駄目もとでも大丈夫ぐらい思える人はエージェントはおすすめです。
女性専用の転職サイトも数が多いですが、やはり1番求人が多いであろうとらばーゆをおすすめしておきます。
最後にハローワークです。
住所:全国各地(一覧)
WEB:https://www.hellowork.go.jp/